電子契約活用時のメールアドレスの選び方と無権代理に対するリスク対策
電子契約サービスは通常電子メールを利用して契約を締結します。
そのためメールアドレスが、通信の宛て先・連絡手段としてだけでなく、契約締結者を特定する手段としても使われます。
電子契約の締結時に用いられるメールアドレスがいかなるメールアドレスであっても、契約が無効となるわけではありませんが、メールアドレスの種類によっては、相手方とのトラブルが起きた際に、契約の有効性についてリスクが生じる可能性があります。
本記事では、電子契約活用時のメールアドレスの選び方と無権代理に対するリスクに関して解説いたします。
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1.送信元/送信先メールアドレスの選び方
メールアドレスは大きく下記3種に分類されます。
(1)社用メールアドレス
(2)共有メールアドレス
(3)私用メールアドレス
各アドレスの使用時の着眼点は、下記の通りです。
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2.無権代理に対するリスク対策
署名者の契約締結権限が確認できない場合、無権代理として相手方から契約の無効を主張されるリスクがあります。冒頭記載した通り、電子契約は、メール認証により本人確認を行うことが基本ですので、送信先が代表取締役のメールアドレスでない場合には、契約締結権限を確認することが必要です。
方法としては、下記の様な手法が考えられます。
上記、記載例のような方法を取ることが困難であり、代表者以外の者が契約を締結している場合は、一定の役職以上の者であることを最低限確認しましょう。
会社法14条に、『事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する』と定めています。部長や課長であれば、そのような委任を受けた使用人である可能性が高いためです。
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3.まとめ
本記事では、電子契約活用時のメールアドレスの選び方と無権代理に対するリスクについて解説致しました。
電子契約を導入する場合、相手方のメールアドレスの選択ももちろんですが、自社側で誰が送信者になるのか・誰が署名をするのかもしっかりと設計しましょう。