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投稿日 | 2021 年 10 月 05日

電子契約導入に必要な電子帳簿保存法への対応

電子契約の導入を検討している過程で、「電子帳簿保存法」という法令を耳にした方が多いのではないでしょうか。
詳しい内容が分からず、この法令への対応が導入における一つの壁になっている企業様からよくご相談を頂きます。
今回は、電子帳簿保存法とは何か・どのような要件が求められているのか等を解説いたします。

 


    1.電子帳簿保存法とは!?

電子帳簿保存法とは、1998年7月に施行された、国税関係帳簿書類を電子データとして保存する手段などを定めた法律です。
従来、申告のためには、国税関係書類を原則書面で7年間保存することが義務付けられていました。しかし、電子帳簿保存法の要件を満たすことで、電子データでの保存が認められました。

 


    2.電子取引(電子契約サービス利用)における電子帳簿保存法で求められる4つの要件

電子契約は、電子帳簿保存法の電子取引に該当し、導入するにあたり求められる電子保存の4つの要件は、下記の通りです。

(1)真実性の確保
 以下の4つの措置のいずれかを満たす必要があります。「いずれか」なので、どれか一つでも満たしていれば、要件を満たすことになります。
 ①データの受領後遅滞なく認定タイムスタンプを付与する
  タイムスタンプであれば何でもよいわけではなく、「一般財団法人 日本データ通信協会」が認定するタイムスタンプが必要となります。※令和4年1月1日より、「データ受領後2カ月以内」と明確化。

 ②改竄防止等のための事務処理規程を作成し運用する

 ③データを改竄/削除できない(もしくはそれらのログが残る)システム等を利用する

 ④書類の発行者側で認定タイムスタンプを付与する
 ①の要件に似ていますが、「発行者側で付与」という部分がポイントです。受信者側で認定タイムスタンプを用意する必要がなくなりました。

(2)関係書類の備付
 システム・サービスの利用方法が分かるよう、その概要を記載した書類(マニュアル等)を備え付けておくことが求められます。

(3)見読姓の確保
 納税地(税務調査を受ける場所)で、ディスプレイやプリンターを使って契約内容が速やかに画面または書面で確認できるようにしておくことが求められます。

(4)検索性の確保
 システム・サービス内で、電子取引における主要項目を範囲指定及び組み合わせで検索できることが求められます。具体的には、下記の通りです。
 ①取引年月日、契約開始日、契約終了日、取引金額、文書の種類、取引先名称等の主要項目が検索条件として設定できる
  ※令和4年1月1日より、「日付・金額・取引先」に限定。
 ②日付と金額については範囲指定して検索できる
 ③2つ以上の項目を任意に組み合わせて検索(いわゆるAND検索)できる
 ④ブランクでの検索ができる。つまり日付が入っていない・金額が入っていないというデータも検索できる必要があります。
  ※令和4年1月1日より、②③は国税庁のダウンロード要求に応じる場合は不要
  
上記4つの要件のうち、「②関係書類の備付」と「③見読性の確保」については、あまり意識せずとも、各社サービスを導入いただくことで容易に満たすことができます。
従って、「①真実性の確保」「④検索性の確保」の2つが、特に注意が必要です。

また令和4年1月1日より、追加で下記要件が求められます。
①重加算税の加算措置(仮装・隠蔽の不正に対し10%の加算)
②書面をもって電磁的記録に代えることができる措置の廃止

②の要件は、「これまで電子取引により授受していた書類を印刷し書面にて保管していた方法が、今後は認められず上記要件に従い保存してください。」という事です。
従って、たとえ自社が電子契約サービスを導入していなくとも、電子取引をしている場合(例:メールを活用した請求書等の授受や、領収書のダウンロード等)は電子保存への対応が求められます。
 


    3.電子帳簿保存法を満たさなかった場合の罰則

電子帳簿保存法を満たさなかった場合、下記の様な罰則が適用される可能性があります。

(1)青色申告の承認を取り消される
青色申告は、最大65万円の特別控除をはじめとしたさまざまな税金に関する特例が適用されることが特徴です。承認が取り消されてしまうと、これらの特例が受けられないだけでなく、欠損金の繰越しもできなくなります。
同時に、青色申告の承認が解除されたという事実が、会社としての信用を著しく損なってしまう可能性もありますので、注意が必要です。

(2)追徴課税や推計課税を課される
青色申告の承認が取り消されると白色申告となってしまいます。
白色申告では、青色申告に適用されていた特例がないだけでなく、「推計課税」が課されます。「推計課税」とは、税務署が推計して所得税や法人税の額を決定し課税を行うことです。

また、書類のデータ化や保存をきちんと行っていないということは、それ以外の国税関係帳簿書類も定められた方法で保管していないとみなされる可能性があります。そこから、各税法の違反が疑われたり、違反しているとみなされたりすれば、さらに厳しい追及を受け、追徴課税を納めなければならない結果になる恐れもあります。

(3)会社法により過料が科せられる場合もある
書類の電子化をしていなくとも、会社法第976条において、帳簿や書類の記録・保存についての規定があります。電子帳簿保存法の違反により、書類の保存を認められず、保存義務に違反していると解釈されたり、虚偽の記帳を行ったと解釈された場合は、100万円以下の過料が科せられます。

 


    4.最後に

本記事では、電子契約サービスを導入するにあたり、気を付けなければならない電子帳簿保存法について解説致しました。
電子契約を導入する際は、しっかりと対応を検討し、不安な点は専門家に相談しましょう。

不明点や不安点等ございましたら、お気軽に弊社にお問合せ下さい。

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