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投稿日 | 2021 年 12 月 30日

電子保存義務化の2年間猶予措置に関して

電子で授受した国税関係書類データの紙保存が禁止となる、電子保存の義務化に関して2021年12月6日に2年間の猶予がされる可能性に関して、日経新聞の報道がありました。目にされた方も多いのではないでしょうか。

本記事では、2年間の猶予措置の内容とこの期間をどのように捉えればよいかに関して解説いたします。

 

    1.2年間猶予措置に関する内容

電子保存の義務化に対する2年間の猶予措置にして、2021年12月10日に公表され2021年12月24日に閣議決定された「令和4年度税制改正大綱」には下記のように記載されております。

(8)電子取引の取引情報に関わる電磁的記録の保存への円滑な移行のための宥恕措置の整備
電子取引の取引情報に係る電子的記録の保存制度について、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に申告所得税及び法人税に係る保存義務者が行う電子取引につき、納税地等の所轄税務署長が当該取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存をすることができなかったことについてやむを得ない事情があると認め、かつ、当該保存義務者が質問検査権に基づく当該電磁的記録の出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合には、その保存要件にかかわらず、その電磁的記録の保存をすることができることとする経過措置を講ずる。
(注1)上記の改正は、令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報について適用する。
(注2)上記の電子取引の取引情報に係る電磁的記録の出力書面等を保存している場合における当該電磁的記録の保存に関する上記の措置の適用については、当該電磁的記録の保存要件への対応が困難な事業者の実情に配意し、引き続き保存義務者から納税地等の所轄税務署長への手続きを要せずその出力書面等による保存を可能とするよう、運用上、適切に配慮することとする。
令和4年度税制改正大綱より引用

税制改正大綱のポイントをまとめますと、下記の通りです。
1.令和5年12月31日まで、出力書面での保存や要件を満たさない形でのデータでの保存が認められる。
2.ただし、それは下記2つの条件を満たす場合である。
条件1 所轄税務署長がやむを得ない事情があると認める。
条件2 印刷して提示できる、あるいは、提出を求められたときに応じられる状態になっている。
3.所轄税務署長への申請手続きなどは不要。

また令和3年12月に国税庁から電子帳簿保存法一問一答が発表されました。
2年間猶予に関するQAの一部を引用したものが下記となります。

問41-2 当面、電子取引の取引情報に係る電子データ保存への対応が間に合いませんが、どのような対応をすればいいでしょうか。
【回答】
令和4年度税制改正で経過措置として整備された宥恕措置を踏まえ、令和5年12月31日までに行う電子取引については、保存すべき電子データを書面に出力して保存し、税務調査等の際に提示又は提出ができるようにしておいていただければ差し支えありません。
なお、令和6年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については要件に従った電子データの保存が必要ですので、そのために必要な準備をお願いします。
【解説】
令和3年度税制改正で、従前認められていた、電子取引の取引情報に係る電子データを出力することにより作成した書面等の保存をもって、その電子データの保存に代えることができる措置(電子データの出力書面等による保存措置)が廃止されましたが、令和4年度税制改正においては、その電子データの保存要件への対応が困難な事業者の実情に配意し、引き続きその出力書面等による保存を可能とするための措置が講じられています。
具体的には、電子取引の取引情報に係る電子データの保存に関する当面の宥恕措置として、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に申告所得税及び法人税に係る保存義務者が行う電子取引につき、その電子取引の取引情報に係る電子データを保存要件に従って保存をすることができなかったことについて、納税地等の所轄税務署長がやむを得ない事情があると認め、かつ、その保存義務者が税務調査等の際にその電子データの出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合には、その保存要件にかかわらず、その電子データの保存をすることができることとする経過措置が講じられたものです。
(参考)
この宥恕措置の適用にあたっては、保存要件に従って保存をすることができなかったことに関するやむを得ない事情を確認させていただく場合もありますが、仮に税務調査等の際に、税務職員から確認等があった場合には、各事業者における対応状況や今後の見通しなどを、具体的でなくても結構ですので適宜お知らせいただければ差し支えありません。
電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】より引用

  

    2.猶予措置の捉え方

では、この2年間の猶予期間をどのように捉えればよいのでしょうか。

弊社としては、準備の期間と捉えることをお勧めしております。

2年間何もしなくて良いと捉えると、2年後法改正になり、これまでと同じように焦って準備をしなければなりません。
もし何か新たな文書管理システムを導入する・現状のシステムを改修するとなれば下手をすると1年ほどの期間を要します。また検索項目の入力など、オペレーションが変わることが想定され、社内に浸透するのに時間を要します。

従って、2年後万全の状態を構築できる様、早めに体制を整え社内に浸透をさせる準備の期間と捉え、今から準備を行いましょう。

  

    3.まとめ

本記事では、2年間の猶予措置の内容とこの期間をどのように捉えればよいかについて解説致しました。

上記記載の通り、準備がまだの企業様は早めに準備に取り掛かりましょう。
弊社としては、サイボウズ社のkintoneを活用し電子帳簿保存法対応をすることを推奨しております。
準備に関して、不明点などございましたらお気軽にご相談ください。

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