【電帳法】データで受領した書類を電子保存する場合
電子帳簿保存法の電子保存の完全義務化に向け、各企業様対策を行っているところかと思います。
最近よくご質問をいただくのが、発行する書類はあまりないのだけど、もらった書類はどうしたらいいのか、という疑問です。
実は電子保存は、発行する場合も受領する場合も義務であり、要件も同じです。本記事では書類をデータで受領するケースも想定してご説明したいと思います。
Ⅰ.電子帳簿保存法の要件
電子帳簿保存法のうち、電子保存の要件は記載の表の通り、大きく4点です。
2つ目の関係書類の備え付け、3つ目の見読性の確保はあまり意識せずとも対応ができると考えられます。関係書類の備え付けは「マニュアルなどを準備する」という要件ですが、オンラインマニュアルやヘルプ機能でも問題ございません。つまり、わざわざ印刷し、書面で保管しておくことは不要です。
そのためとくに対応に注意が必要な要件は、
1つ目の真実性の確保と4つ目の検索性の確保にあたります。
真実性の確保要件への対応は、以前ご紹介をさせて頂きました。詳細は下記リンク先をご確認ください。
書類をデータで受領する場合も対応は同じです。
▶電子保存の真実性の確保要件には「事務処理規程」の作成・運用がおすすめ
今回は、検索性の確保要件にどのように対応するのがよいかご紹介します。
Ⅱ. 検索性の確保を満たす方法とは
検索性の確保要件を満たすためには大きく下記2つの方法があります。
こちらも発行する場合も受領する場合も要件は同じです。
方法1.Excelなどを活用し、索引簿を作成する
方法2.システムを活用し、保存する
方法1.Excelなどを活用し、索引簿を作成する
国税庁の発信を確認すると、検索性の確保要件を満たすにあたりExcelなどを活用し、索引簿を作成する方法で良いとされています。
※サンプルはこちらからダウンロードできます。
この方法であれば、システムを導入する必要が無いためコストをかけずに検索性の確保要件に対応することが可能というわけです。
ただしExcelを活用する場合いくつものファイル(データ)ができた結果、誰が正規・最新のものを持っているか分からなくなる可能性や、業務上正確に運用されているかチェックしにくい、、複数人で運用しづらいなどのデメリットが存在します。
方法2.システムを活用し、保存する
次にご紹介するのがシステムを活用する方法です。一般的には、こちらを選択する企業様が多いのではないでしょうか。
デメリットとしては、どうしてもコストがかかることがあげられます。またシステムが多数存在し「どれが自社にとって良いのか分からない」というお悩みもあるのではないでしょうか。
ただし、Excelを活用する方法と比較し、運用ルールをいかに定めるかにもよりますが、複数人での対応がしやすく正確に対応しやすいのではないでしょうか。
Ⅲ.お勧めするシステム、kintone
1.kintoneとは
ビジネスのバラバラをひとつにし、社内メンバーが同じ情報や目的を共有することができる業務・情報の改善、集約をするシステムです。kintoneは業務に応じて「アプリ」を作成し、業務や情報を管理します。
アプリを作成することにより、情報を集約できることはもちろんのこと、データに紐づいたコミュニケーションも可能です。
2.アプリの作り方
アプリの作成は、非常に簡単です。
kintoneはノーコードで開発が可能で、利用するのに特別なスキルや知識は必要ありません。部署や立場、スキルに関わらず、現場の担当者がマウス操作でアプリ構築・改修が可能です。そのため、導入ご担当者様の93%が非IT部門となっております。
(1)ドラッグ&ドロップで必要な項目を並べる
ドラッグ&ドロップで必要な項目を選んで並べれば、イメージ通りのアプリを作成できます。アプリを使いながら改善していくことも可能です。
(2)エクセルファイルを読み込む
お手持ちのエクセルやCSVファイルを読み込むだけで、あっという間にアプリ化することができます。
(3)サンプルアプリから選ぶ
はじめての方は、サンプルアプリから使いたいアプリを選ぶだけで、すぐに使い始めることができます。
3.kintoneをお勧めする理由
弊社がkintoneをお勧めする理由は、ズバリ「コスパが良い」からです。
電子帳簿保存法は広く捉えると「ペーパレス化」にあたるのではないでしょうか。もし専用の文書管理システムを導入した場合は、基本的に文書の保管・管理しかできません。kintoneであれば、文書の保管以外にも様々な活用が可能です。
例えば、ペーパレス化という観点で見ると社内の書類、具体的には「申請・承認のハンコ」をペーパレス化したいというご要望はないでしょうか。
kintoneはワークフロー機能もあり、社内の申請・承認業務をペーパレス化することが可能です。またCRMや人事管理・在庫管理などアイディア次第で様々な活用の仕方をすることができます。
つまり、ただ「電子帳簿保存法対応のためにシステナを導入する」という目線ではなく「これを機にペーパレス化や業務改善とする」という目線で考えた際、kintoneは非常に有効かつコスパのよいシステムということです。
またkintoneは自社でアプリを作成するため、業務を行いながら改修をすることも可能です。「ベンダーにシステムを開発してもらったが、運用をしていると業務と合わないため改修したい。ただ、ベンダーに依頼しないといけないので、時間もコストもかかる」というお悩みを抱いたことはないでしょうか。
kintoneであれば、この点も問題ありません。
kintoneに関する詳細はこちらをご覧ください。
Ⅳ.kintoneで適法に保存する方法
それではkintoneを活用する場合、どのように検索性の確保に対応すればよいのでしょうか。
対応方法は非常に簡単です。
下記の様なアプリを作成し、受領した書類はもちろん送付した書類も保存するだけです。
最低限必要な項目は、
「取引企業名」
「取引年月日」
「取引金額」
「文書添付フィールド」
の4つです。
これ以外にも運用上必要なのであれば、文書種別やユニーク番号・登録担当者名など様々なフィールドを置くことができます。アプリの作成自体は、5分もかからずできるでしょう。
またkintoneは権限管理を細かく設定ができますので「一部の人のみで共有したい書類」が存在しても安心です。
ご面談をさせて頂いていると「一件一件文書を保存するのが手間だ」という企業様もいらっしゃいます。そのような企業様には、kintoneの拡張機能である「フォームブリッジ」の活用をお勧めしております。フォームブリッジは、WEBフォームを作成できる拡張機能です。このフォームに入力した情報は、kintoneに保存されます。つまりWEBフォームを作成し取引企業様にこのフォームに入力頂けば、手間をかけずに書類の受領と保存ができる訳です。
またkintoneはユーザー数に応じた従量課金制となっており「文書を受領し登録して欲しい人は数多くいるが、それ以外はkintoneを使わない」という場合、このフォームブリッジを活用することにより、利用ユーザー数・コストの削減が可能です。
フォームブリッジに関する詳細はこちらをご覧ください。
このようにkintoneには様々な拡張機能が存在し、これもkintone活用の大きなメリットです。
専門システムを活用した場合は、1つの課題に対し1つのシステムを導入しなければなりません。そうすると、トータルで計算した場合コストが膨らみ、また従業員様にシステムが定着しづらいというデメリットが存在します。従業員様としても複数のシステムの利用や覚えるは手間です。
Ⅴ.まとめ
今回は、電子帳簿保存法 電子保存における対応システムとしてkintoneをお勧めする理由について解説いたしました。kintoneは電子帳簿保存法対応にとどまらず、ペーパレス化や業務改善において様々な価値を発揮します。
kintoneや電子帳簿保存法対応に関して、ご相談やご不明点があれば是非弊社にご相談ください。
直接ご相談したい、という方はお気軽にお問い合わせください。