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投稿日 | 2022 年 02 月 10日

kintoneを活用した電子帳簿保存法「検索性の確保」要件への対応

kintoneを活用した電子帳簿保存法「検索性の確保」要件への対応

※2024年6月3日更新

はじめに

電子帳簿保存法の電子保存への対応を業務システムであるkintoneで行う

猶予措置により、電子帳簿保存法のうち、約2年間先延ばしになっていた電子保存の義務化がスタートし、
令和6年1月1日より対応が必須となりました。弊社としては、業務システムであるkintoneを活用することで電子帳簿保存法へ対応することを推奨しております。

本記事では、kintoneを活用し電子帳簿保存法の「検索性の確保」要件に対応する方法に関して解説いたします。

kintoneでの電子帳簿保存法対応をお勧めする理由

電子帳簿保存法対応をシステムで行った企業様の中には法対応により「手間が増えた」という方も多いのではないでしょうか?よくお伺いする原因としては単なる保管箱としてシステムを用意しており業務フローと連動していないがために手間と感じるケースです。

kintoneのメリットは下記の通りです。

・文書だけでなく、取引先情報や商品情報、問い合わせ履歴など多くの情報を一元管理可能
・一元管理されているので、情報の紐づけが可能
・ワークフロー機能やアクションボタン機能、様々な拡張機能により業務効率化に繋がる

よって、既存の業務フローと連動させることができるため、対応する従業員の負担を軽減しつつ効率化にも貢献ができます。


1.電子帳簿保存法【電子保存 検索性の確保】で求められる要件とは

電子帳簿保存法の電子保存における「検索性の確保」要件に関して解説

まずポイントになるのが、電子帳簿保存法の検索性の確保要件です。
検索性の確保において求められる要件は、下記です。

(1)取引日付・取引金額・取引先(会社)名で検索が出来る。
(2)日付または金額の指定範囲により検索が出来る。(範囲検索)
(3)2つ以上の任意の検索項目(日付・金額・取引先)を組み合わせた条件により検索が出来る。(アンド検索)
(4)検索項目について、記録事項がない電子的記録を検索出来る。(ブランク検索)

※(2)(3)は、ダウンロード要求に応じる場合は不要
※ 基準期間(2年(期)前)の売上高が5,000万円以下の場合、または電子取引データをプリントアウトした書面を、日付及び取引先ごとに整理された状態で提示・提出することができるようにしている場合は不要
詳細はこちら

ちなみに「取引日付」は、書面の受領日・支払日・納入日等様々な場合が想定されますが、「会社の会計基準」に応じた取引年月日で問題ございません。
また「取引金額」も税抜・税込どちらでも良く、帳簿処理方法に統一をすれば問題ございません。
重要なポイントは、社内でルールを定め統一しておくということです。


2.kintoneで「検索性の確保」要件に対応する方法

検索性の確保要件にkintoneでどのように対応をすればよいのでしょうか。

実は対応は、非常に簡単です。kintoneで文書管理アプリを作成するだけです。
文書管理アプリにおいて、必須(必ず入力をしなければならない)項目は下記となります。
(1)取引日付       (2)取引金額
(3)取引先名       (4)文書添付

各社のオペレーション次第ですが、下記項目もお勧めしています。
(1)作成日時       (2)作成者
(3)更新日時       (4)更新者
(5)担当部署       (6)受信側か発信側か
(7)文書の種別(詳細)   (8)その他備考

kintoneは検索性に非常に優れているため、項目ごとの検索はもちろん、範囲検索・アンド検索・ブランク検索も可能です。
kintoneでは閲覧権限も細かく設定ができるため、「この情報は一部の人しか閲覧できないようにする」ということも可能です。
イメージとしては、下記の様なアプリになります。


3.入力項目の業務改善には「AI-OCRプラグイン for kintone」の利用がおすすめ

受領した文書データの転記に手間がかかる場合はどうすればいいのでしょうか?

電子帳簿保存法の検索性確保要件に対応するアプリの作成は簡単ですが、運用には手間がかかります。
とくに、多くの書類発行・受領を行っている場合は、入力項目の対応に多くの手間がかかるでしょう。
そこで役立つのがAI-OCRです。
そもそも、OCRとはスキャンなどした画像・データのテキストをデータ化する技術のことで、AI-OCRは光学文字認識(OCR)とAI(人工知能)を組み合わせたものです。
AI-OCRについて詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
参考記事:AI-OCRの活用方法とは?概要や導入のメリット・デメリットなども解説

実際に、AI-OCRプラグイン for kintoneを活用し読み取りをかけた請求書とkintoneに保存されたデータは以下の通りです。
AI-OCRプラグイン for kintoneを活用すれば、検索項目をkintoneに手入力する必要がありません。
業務改善につながるのはもちろん、入力ミスなどを抑えられます。


4.真実性の確保要件への対応

検索性の確保要件の他に、真実性の確保要件にも対応する必要があります。

真実性の確保要件については、下図対応方法のいずれかを選択できます。
「いずれか」ですので、どれか1つでも満たしていれば要件クリアとなります。

上記のうち、弊社では2の「事務処理規程の備え付け」による対応を推奨しています。

1と4の認定タイムスタンプによる対応については、タイムスタンプ付与の都度コストがかかり、
サービスによっては法律上で要求されている一括検証機能の実装をお客様側で行う必要があります。

3のデータを改ざん/削除ができないシステム、またはログが残るシステムの利用については、
電子データの授受(送付・受信)を直接当該システム上で実施する必要があるため、
ECサイトから領収書を手動でダウンロードしたり、メールに記載されたリンクから請求書をダウンロードするパターンでは、結局、別途事務処理規程の備え付けが必要となります。

また、GDPR(欧州一般データ保護規則)や、その流れを汲む改正個人情報保護法の削除要求にも対応ができません。
削除要求に応じない場合は、例えばGDPRだと約20億円もの多額の制裁金が課される可能性があります。
電子帳簿保存法への対応だけではなく、その他の関連業法なども意識した検討が必要です。

上記の理由から、弊社では事務処理規程の備え付けによる柔軟な対応を推奨しています。
事務処理規程につきましては、国税庁より各種規程等のサンプルが公開されています。

また、弊社では弊社グループの税理士法人で監修した事務処理規程、申請書、報告書の雛形を弊社で提供している各種プラグインのご契約者様に無償提供しております。
kintoneによる運用を前提とした事務処理規程の作成方法につきましても、当プラグインのマニュアル上で解説しておりますので、短期間で電子帳簿保存法に対応した運用をスタートすることができます。
参考記事:電子帳簿保存法の「電子保存」義務化に対応するための事務処理規程の作り方


5.まとめ

本記事では、kintoneを活用し電子帳簿保存法の「検索性の確保」要件に対応する方法に関して解説致しました。

kintoneをすでにご使用の方であれば、お分かりかと思いますが紹介したアプリであれば、1~3分程度あればすぐ出来てしまいます。
ただ、発行・受領する書類が多い場合、項目の入力における手間が小さくありません。
併せて「AI-OCRプラグイン for kintone」を活用し、業務改善に取り組むと良いでしょう。
なお、AI-OCRプラグイン for kintoneの特徴について詳しく知りたい方は、以下をご参考ください。

参考記事:AI-OCRとkintoneを活用した業務改善。非定型帳票対応&カンタン設定だから実現できる!

まだkintoneを活用していないが、導入し適法な文書管理をしたい・すでにkintoneを導入しているがさらに詳しく知りたいという方は、是非ご相談ください。
アプリ構築支援などもしております。


直接ご相談したい、という方はお気軽にお問い合わせください。


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